細く長い支援

日本人は熱しやすく、冷めやすい民族だと思いますが、災害支援で大事なことは『細く長い支援』だと思います。
僕は中越地震の時に医師として医療支援に入り、それを実感しました。
直後に被災地に大量の人員や物資が届いても、被災地のキャパシティーをオーバーしてしまって、逆に負担をかけてしまうこともあります。
救助支援なら自衛隊(軍隊は必要ないと思うけど…)やレスキュー、各国の救助隊など、医療支援なら赤十字や民医連など全国的に連携・統率のとれる医療機関がすでに動き出しています。
「何かしなければ、何かしたい」と思う気持ちはわかるし、それはとてもいいことだと思うけど、闇雲にばらばらに被災地にボランティアに入るのではなく、ボランティアをまとめて有機的に動かすことのできる機関・団体に問い合わせて、可能ならばボランティアに派遣してもらうことが必要だと思います。


何より、無理をして自分の生活に負担がかかるやり方での活動は、長く続きません。
自分の「今」を大切にしながら、自分にできる範囲のことを探してやることが大切だと思います。


募金とか、ボランティアとかを『偽善』だとか『自己満足』だとか言ってやらない人もいます。
やるやらないは個人の自由ですが、やらないだけじゃなくそれ自体を否定したり、非難したりする人もいるように思います。
そういう声を気にして、募金などに踏み切れない人もいるかもしれません。


でも、偽善や自己満足の何が悪いのでしょう?
たとえその行為が偽善でも、自己満足でも、その行為によって誰かが少しでも助かる可能性が広がるのならばそれは素晴らしい行為なのではないでしょうか?
偽善も善ですよね?
少なくとも悪ではない。
なんだかんだいって何もやろうとしない人に、何かをやろうとする人を非難する資格なんてないと思います。
無関心こそ最大の罪悪である、とはだれの言葉だったか忘れましたが、そのとおりかもしれません。


また「これくらいのことやらなくても変わらないでしょ」という考えて、行動に移せない人も多いと思います。
でも「ちりも積もれば山になる」です。
みんな微力ではあっても、決して無力ではないと思います。
なんでもいい、なにかやりましょう!
無理はせずに…