ひどすぎる…

このニュースを見て唖然とした…
これを詐欺容疑で逮捕するなんて、あまりに情がないんじゃないだろうか。
ひどすぎる!


試験を二日後に控えて、こんな長文を書いている場合じゃない気もするけど、書かずにはいられなかった。

支払い能力なく長女を入院 詐欺容疑で72歳女逮捕

 支払い能力がないのに体が不自由な長女(44)を病院の個室に入院させたとして、警視庁大森署は17日、詐欺の疑いで東京都三鷹市、無職長倉玉枝(ながくら・たまえ)容疑者(72)を再逮捕した。「後で支払うつもりだった」と否認している。

 逮捕容疑は昨年3月からの約2カ月間、長女を文京区内の私立病院の個室に入院させ、個室と一般病室との差額ベッド代を支払わなかった疑い。

 大森署によると、長倉容疑者は昨年1月からの1年間、長女を都内18カ所の病院の個室に入院させ、差額ベッド代だけでなく入院費用も支払わずにいなくなることを繰り返していたという。

 身体障害者の入院費用は行政側が負担することになっており、同署は負担対象に含まれていない差額ベッド代について詐欺容疑で立件した。

 逮捕容疑だけでの差額ベッド代は約265万円。これまで入院した病院での差額ベッド代は計2千万円を超える可能性があるという。

こういう通達があることをどう考えているのだろうか?
引用が多くて長文だけどお読みください。

特定療養費に係る療養の基準の一部改正に伴う実施上の留意事項について(平成9年3月14日 保険発第30号)

・患者への十分な情報提供を行い、患者の自由な選択と同意に基づいて行われる必要があり、患者の意に反して特別療養環境室に入院させられることのないようにしなければならないこと。
したがって、特別療養環境室へ入院させ、患者に特別の料金を求めることができるのは、患者側の希望がある場合に限られるものであり、救急患者、術後患者等、治療上の必要から特別療養環境室へ入院させたような場合には、患者負担を求めてはならず、患者の病状の経過を観察しつつ、一般病床が空床となるのを待って、当該病床に移す等適切な措置を講ずるものであること。
・特別療養環境室への入院を希望する患者に対しては、特別療養環境室の設備構造、料金等について明確かつ懇切に説明し、患者側の同意を確認のうえ入院させること。この同意の確認は、料金等を明示した文書に患者側の署名を受けることにより行うものであること。

つまり患者の希望以外で個室に入院させても、差額ベッド料は取ってはいけないし、そのことを十分に説明する義務が病院側にあるということです。
さて、今回の私立病院はこの説明を十分にしたのでしょうか?
僕が働いていた病院は差額ベッド料をとらない病院だったのですが、差額ベッド料をとる病院でこれをちゃんと患者さんに説明し、患者さんが理解したうえで個室に入院させるという病院はあまりないのではないでしょうか?
上記の「特別療養環境室へ入院させ、患者に特別の料金を求めることができるのは、患者側の希望がある場合に限られるものであり、救急患者、術後患者等、治療上の必要から特別療養環境室へ入院させたような場合には、患者負担を求めてはならず」ということを理解している人はほとんどいないのではないでしょうか?
患者側だけでなく、医師や看護師といった医療者側でも、このことを知らない人がいると思います。
「差額ベッド料は取って当然」と言う医療者側の考え、「お金は払いたくないけど治療上必要なら、個室に入るためにお金を払うのは仕方ない」という患者側の考え、どちらも間違っています。
この間違えの責任はだれにあるんでしょうかねぇ…
政治?医療者?患者側?
全部かな〜?


「知らないということは怖いことだ。社会の仕組みを知らないままじゃ一生利用され続けるぞ!」
ドラゴン桜(漫画、ドラマ)でそんなセリフがありましたね〜。